世界市場概況
2024年の再生可能エネルギー市場の現状
2024年、世界の再生可能エネルギー市場は前年比15.7%成長を記録し、総設備容量は4,500GWを突破しました。IREMAの最新レポートによると、新規導入容量は346GWに達し、化石燃料発電の新規導入を大幅に上回っています。
総設備容量
4,500GW
2024年末時点（GW）
前年比+346GW（+8.3%）の成長
市場規模
1.8兆ドル
年間投資額（兆ドル）
化石燃料投資の1.7倍に達する
雇用創出
1,540万人
世界の雇用者数（万人）
前年比+12.7%の雇用増加
地域別市場分析
主要地域の導入状況と成長トレンド
地域別新規導入容量（2024年）
アジア太平洋地域
60%
世界シェア
- 中国: 世界最大の導入国。太陽光216GW、風力76GW新設
- インド: 太陽光18.5GW、風力3.2GWを追加
- 日本: 分散型太陽光と洋上風力に注力
- オーストラリア: 大規模太陽光・風力プロジェクト推進
ヨーロッパ
20%
世界シェア
- ドイツ: エネルギー転換政策により風力・太陽光拡大
- スペイン: 太陽光発電の急速な普及
- 英国: 世界最大の洋上風力市場
- デンマーク: 風力発電比率50%超を達成
北米
12%
世界シェア
- 米国: IRAによる税制優遇で投資加速
- カナダ: 豊富な水力資源と風力開発
- メキシコ: 太陽光・風力の大規模開発
技術別市場動向
主要技術の導入状況とコスト競争力
技術別設備容量構成（2024年）
主要技術の動向
太陽光発電（PV）
設備容量: 1,419GW
年間成長率: +73%
LCOE: $0.048/kWh
技術革新とスケールメリットにより、最も競争力のある電源に成長。住宅用から大規模太陽光発電所まで幅広い展開。
風力発電
設備容量: 899GW
年間成長率: +50%
LCOE: $0.033/kWh
陸上・洋上ともに大型化が進行。洋上風力は新たな成長エンジンとして期待。
水力発電
設備容量: 1,392GW
年間成長率: +2%
LCOE: $0.047/kWh
成熟技術として安定成長。小水力発電と既存設備の効率化がトレンド。
投資動向
グローバル投資フローと資金調達トレンド
2024年の再生可能エネルギー投資は1.8兆ドルに達し、過去最高を記録しました。特に、グリーンボンド発行額は4,500億ドルを突破し、機関投資家の関心の高さを示しています。
年別投資額推移
投資内訳（2024年）
新規プロジェクト
1,200億ドル
太陽光・風力発電所建設
グリッド投資
350億ドル
送電網強化・スマートグリッド
蓄電システム
120億ドル
電池技術・揚水発電
R&D投資
80億ドル
次世代技術開発
成長予測
2030年・2050年に向けた市場展望
IEAのNet Zero Emissions by 2050シナリオでは、再生可能エネルギーが2030年までに世界の発電容量の90%を占める必要があるとしています。これを実現するには、年平均11%の成長率維持が必要です。
2030年目標
11,000GW
総設備容量
65%
発電量シェア
4.2兆ドル
累積投資額
2050年目標
25,000GW
総設備容量
90%
発電量シェア
12兆ドル
累積投資額
成長ドライバー
- 政策支援: 各国のカーボンニュートラル宣言と支援政策
- コスト競争力: 技術進歩による発電コスト低下
- ESG投資: 機関投資家の脱炭素投資拡大
- 企業調達: RE100参加企業の再エネ調達増加
- 新興市場: アジア・アフリカの電化需要