再生可能エネルギー用語集

太陽光発電、風力発電、エネルギー貯蔵、水素技術など、再生可能エネルギー業界の重要用語を分かりやすく解説します

カテゴリー一覧

太陽光発電技術

ペロブスカイト太陽電池 (ぺろぶすかいとたいようでんち)
有機金属ハロゲン化物を使用した次世代太陽電池で、製造コストが安く、柔軟性があり、軽量である特徴を持ちます。変換効率が急速に向上しており、2025年の実用化を目指して開発が進められています。
タンデム太陽電池 (たんでむたいようでんち)
複数の太陽電池層を積層することで、異なる波長の光を効率的に利用し、変換効率を大幅に向上させる技術です。シリコンとペロブスカイトを組み合わせたタンデム電池は、理論上40%以上の変換効率を実現できます。
BIPV (びぷぶ / Building Integrated Photovoltaics)
建物一体型太陽光発電システムのことで、建物の外壁、屋根、窓などに太陽電池を組み込んだ構造です。建材としての機能と発電機能を兼ね備え、都市部での再生可能エネルギー導入を促進します。
光電効果 (こうでんこうか)
光が物質に当たると電子が放出される現象で、太陽光発電の基本原理です。半導体に太陽光が当たると、光のエネルギーが電子を励起し、電流が発生します。
変換効率 (へんかんこうりつ)
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する際の効率を示す指標です。現在、市販されているシリコン系太陽電池の変換効率は22-26%程度で、次世代技術により35-40%への向上が期待されています。

風力発電技術

洋上風力発電 (ようじょうふうりょくはつでん)
海上に風力発電設備を設置する発電方式で、陸上よりも強く安定した風が得られます。着床式と浮体式があり、日本では2040年までに30-45GWの導入が目標とされています。
浮体式風力発電 (ふたいしきふうりょくはつでん)
水深の深い海域で、海底に固定せず浮体構造物の上に風車を設置する方式です。日本のような深海が多い地域での展開に適しており、設置可能海域を大幅に拡大できます。
設備利用率 (せつびりようりつ)
発電設備が実際に稼働している時間の割合を示す指標です。洋上風力では50%以上、陸上風力では25-30%程度が一般的で、数値が高いほど効率的な発電が可能です。
ベッツ限界 (べっつげんかい)
風力発電で理論的に取り出せる最大エネルギーの限界値で、約59.3%とされています。これは風のエネルギーを全て吸収すると風が止まってしまうため、物理的に限界が存在することを示しています。
風況 (ふうきょう)
特定の地点における風の状態を示す用語で、風速、風向、風の安定性などを含みます。風力発電の適地選定や発電量予測に重要な要素となります。

エネルギー貯蔵

全固体電池 (ぜんこたいでんち)
電解質に液体ではなく固体を使用する次世代バッテリー技術です。高い安全性、高エネルギー密度、長寿命が特徴で、電気自動車や定置型蓄電システムへの応用が期待されています。
VPP (ぶいぴーぴー / Virtual Power Plant / 仮想発電所)
分散する小規模な蓄電池や発電設備をIoT技術で統合制御し、あたかも一つの大規模発電所のように運用するシステムです。再生可能エネルギーの変動を吸収し、電力系統の安定化に貢献します。
蓄電池 (ちくでんち)
電気エネルギーを化学エネルギーとして貯蔵し、必要に応じて放電する装置です。リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池などがあり、再生可能エネルギーの出力変動を平準化する役割を果たします。
HEMS (へむす / Home Energy Management System)
家庭のエネルギー使用状況を可視化し、太陽光発電や蓄電池を最適に制御する管理システムです。省エネと電気代削減を実現し、スマートハウスの中核技術となっています。
V2H (ぶいつーえいち / Vehicle to Home)
電気自動車のバッテリーを家庭用蓄電池として活用する技術です。停電時の非常用電源や、電力需給調整に貢献し、電気自動車の新たな価値を創出します。

水素技術

グリーン水素 (ぐりーんすいそ)
再生可能エネルギーを使った水の電気分解により製造される水素で、製造過程でCO2を排出しません。脱炭素社会実現の鍵となる技術で、製造コストの低減が課題となっています。
水電解装置 (すいでんかいそうち)
電気エネルギーを用いて水を水素と酸素に分解する装置です。アルカリ型、PEM型、固体酸化物型などの方式があり、効率向上とコスト削減が進められています。
水素キャリア (すいそきゃりあ)
水素を効率的に貯蔵・輸送するための物質で、液化水素、アンモニア、メチルシクロヘキサンなどがあります。国際的な水素貿易の実現に不可欠な技術です。
FCV (えふしーぶい / Fuel Cell Vehicle / 燃料電池自動車)
水素と酸素の化学反応により発電し、その電力でモーターを駆動する自動車です。走行時にCO2を排出せず、長距離走行と短時間充填が可能で、運輸部門の脱炭素化に貢献します。

市場・政策

FIP制度 (えふあいぴーせいど / Feed-in Premium)
再生可能エネルギーの市場統合を促進する制度で、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして支払います。FIT制度からの移行により、発電事業者の市場参加と効率的な発電を促進します。
PPA (ぴーぴーえー / Power Purchase Agreement / 電力購入契約)
発電事業者と電力需要者が長期間の電力購入契約を結ぶ仕組みです。企業が自社施設の屋根などに太陽光発電設備を初期投資なしで導入できるため、再エネ普及の有効な手段となっています。
カーボンニュートラル (かーぼんにゅーとらる)
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出をゼロにする状態です。日本は2050年までのカーボンニュートラル実現を目標としており、再生可能エネルギーの大量導入が不可欠です。
需給調整市場 (じゅきゅうちょうせいしじょう)
電力の需要と供給のバランスを維持するために、調整力を取引する市場です。再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、蓄電池やVPPによる柔軟な調整力の重要性が高まっています。
電力市場価格 (でんりょくしじょうかかく)
電力取引市場で形成される電力の価格で、需給バランスにより変動します。再生可能エネルギーの大量導入により、日中の電力価格が低下する傾向があり、蓄電池による価格差活用が注目されています。

新技術

スマートグリッド (すまーとぐりっど)
情報通信技術を活用して電力の需給を最適化する次世代送配電網です。再生可能エネルギーの変動を吸収し、分散型電源を効率的に統合することで、安定的で持続可能な電力供給を実現します。
AI統合システム (えーあいとうごうしすてむ)
人工知能を活用して発電量予測、需給調整、設備保守を最適化するシステムです。気象データや過去の発電実績から高精度な予測を行い、再生可能エネルギーの効率的な運用を支援します。
デジタルツイン (でじたるついん)
物理世界の発電設備や系統をデジタル空間上に再現し、シミュレーションや最適化を行う技術です。設備の故障予知や運転最適化により、発電効率の向上と保守コストの削減を実現します。
マイクログリッド (まいくろぐりっど)
地域内で小規模な発電設備と蓄電池を組み合わせ、独立して運用できる電力網です。災害時の電力供給確保や、離島・山間部でのエネルギー自給自足を可能にします。
系統連系 (けいとうれんけい)
再生可能エネルギー発電設備を既存の電力網に接続することです。系統への影響を最小化するため、電圧や周波数の調整機能が求められ、大量導入時には系統増強が必要となります。

その他の再生可能エネルギー

地熱発電 (ちねつはつでん)
地下深くのマグマの熱エネルギーを利用して発電する方式です。天候に左右されず安定的な発電が可能で、日本は世界第3位の地熱資源を有していますが、開発コストや環境影響が課題となっています。
バイオマス発電 (ばいおますはつでん)
木材、農業残渣、廃棄物などの生物由来資源を燃料として発電する方式です。カーボンニュートラルな発電が可能で、地域資源の活用と廃棄物処理を両立できます。
小水力発電 (しょうすいりょくはつでん)
河川や農業用水路などの小規模な水流を利用する発電方式で、出力1,000kW以下の設備を指します。環境負荷が小さく、地域分散型のエネルギー源として注目されています。
海洋エネルギー (かいようえねるぎー)
波力、潮流、海流、温度差などの海洋が持つエネルギーを利用する発電技術の総称です。日本は広大な海域を有しており、将来的な開発ポテンシャルが大きい分野です。
揚水発電 (ようすいはつでん)
電力需要の少ない時間帯に水を上部貯水池に汲み上げ、需要の多い時間帯に放水して発電する方式です。大規模なエネルギー貯蔵として、再生可能エネルギーの出力変動を調整する役割を果たします。
潮汐発電 (ちょうせきはつでん)
潮の満ち引きによる海水の流れを利用して発電する方式です。天体の動きに基づく予測可能な発電が特徴で、海洋エネルギーの中でも実用化が進んでいる技術です。