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Renewable Energy Insight

FIT・FIP支援の太陽光は4類型に整理へ、事業者が今問われる備え

FIT・FIP支援の太陽光は4類型に整理へ、事業者が今問われる備え

ニュースの概要

経済産業省は、固定価格買取制度(FIT)と市場連動型の上乗せ制度(FIP)で今後も支援する太陽光発電を、4つの類型に分けて示した。日経BPのメガソーラービジネス plusが伝えている。これまで太陽光は「入れば入るほど良い」という空気の中で拡大してきた。しかし山林の造成による災害不安や景観への反発が各地で強まり、国は支援の対象を絞り込む方向へ舵を切りつつある。今回の類型化は、どのような太陽光なら公的な後押しに値するのかを、国が自らの言葉で定義し直す作業だと読める。事業者にとっては、土地選びから資金調達までの前提が変わる合図である。

引用元: 経産省、「FIT・FIPで支援する太陽光」の4類型を公表 - ニュース - メガソーラービジネス plus(日経BP)

分析・見解

量を競う時代から、質で選ぶ時代への転換点

日本の太陽光は、2012年のFIT開始から約10年で導入量を数倍に伸ばし、いまや世界でも有数の規模になった。一方で、平地が少ない国土では、事業用地が山林や傾斜地へ広がっていった。その結果、大雨のたびに斜面の崩れや濁水への不安が語られ、自治体が独自の条例で規制する例も増えている。今回の4類型は、こうした歪みへの国の答えと位置づけられる。支援する太陽光と、そうでない太陽光を分ける。つまり、補助の網に「ふるい」を入れる発想である。

支援対象を絞ることの本当の狙い

注目したいのは、国が禁止ではなく「支援の線引き」という手段を選んだ点である。禁止は反発が大きい。だが支援を外せば、採算が合わなくなり、自然に案件が減る。しかも財源は電気料金に上乗せされる賦課金であり、国民負担を抑えたいという事情もある。賦課金は年間で数兆円規模に達しており、無制限には増やせない。そこで、屋根や駐車場の上、工場の敷地内など、新たな自然破壊を伴わず地域にも歓迎されやすい形を優先する。環境への配慮と財政の節約が、同じ方向を向いたといえる。

FIPへの移行が突きつける、売り方の巧拙

FIPは、市場で電気を売った価格に一定の上乗せを足す仕組みである。FITのように「作れば決まった値段で買ってもらえる」安心感は薄れる。電気が余る昼間は価格が下がるため、発電するだけの設備は不利になる。ここで鍵を握るのが蓄電池である。昼に作った電気をためて夕方に売れば、収入は大きく変わる。欧州やオーストラリアでは、太陽光と蓄電池をセットにした案件が主流になりつつある。日本でも同じ流れが強まるだろう。類型化は、設備単体ではなく「どう売るか」まで含めて事業を評価する時代の入り口である。

次世代技術と地域共生が次の分かれ道

軽くて曲げられるペロブスカイト太陽電池のように、従来は置けなかった壁面や屋根にも設置できる技術が育てば、用地の制約は大きく緩む。国が示す類型は、こうした新技術を後押しする土台にもなり得る。同時に、地域との合意形成は今後さらに重みを増す。説明会を開いただけでは足りず、収益の一部を地域に還元する、災害時に電気を分けるといった実質的な共生策が評価の分かれ目になる。

ビジネスへの影響

土地選びの基準が変わり、既存計画の見直しが必要になる

開発中の案件を持つ事業者は、まず自社の計画が4類型のどこに当たるかを確認したい。山林を切り開く計画は、支援の対象外になるおそれがある。その場合、売電収入の前提が崩れ、融資の条件も厳しくなる。着工前なら、屋根や工場跡地など別の用地への切り替えを検討する価値がある。すでに稼働中の発電所は、直ちに影響を受けるわけではない。ただし、更新や増設の際に新しい基準が適用される点には注意が必要である。

買い手側の企業にとっては、調達戦略を磨く好機になる

工場や物流倉庫を持つ企業は、自社の屋根を発電に使うことで、電気代の節約と脱炭素の両方を狙える。支援が屋根設置型に厚くなれば、投資回収の見通しも立てやすい。さらに蓄電池を組み合わせれば、停電時の備えにもなる。投資家の視点では、地域との関係が良好で、災害リスクの低い案件ほど長期で選ばれるようになる。審査では、立地の安全性や住民対応の記録まで問われると考えておきたい。いまのうちに資料を整えておくことが、数年後の資金調達の差につながる。

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